肘折温泉の縁起

翁絵(クリックで拡大)
 大同年間(大同二年=807年)の頃、諸国を巡り修行をしていた、豊後の国の源翁が、川から紵麻(烏川、今の銅山川、カラソ川→カラス川に変化したとの説あり)が流れてくるのを見つけ、上流に上ってきたところ、老僧に出会いました。実はこの老僧、地蔵権現で、「修行中崖(地蔵倉)から落ちて肘を折ったが、この地のお湯(上の湯)に浸かったところ、たちまち傷が癒えた。すなわち、名湯である。家族を連れ、この地に移り住み、この霊験あらたかなる温泉を守るよう。」といわれ、この地を守ることとなった、と語り伝えられています。



さんげさんげ 肘折の所以には他に、「肘折は、聖(弘法大師)が開き賜いし霊湯なり。聖居り(ヒジリオリ)より肘折となる」との説や、「豊後の国、日出(ひじ)の村の者が居った(開いた)ことから日出居り(ひじおり→肘折)となった。」との説等があります。


 いずれにしても、古くより、月山を中心とした出羽三山信仰と強く結びついた、登拝道の宿泊中継基地として発達してきたことは間違いがなく、「名湯」と言うよりは「霊湯」として、今なお湯治場の形態をそのまま残し、多くの方々にご利用いただいております。

肘折温泉の地形

火山分布図

肘折は、平成15年 日本の活火山の定義が変わったため認定された、「活火山」です。
(東北には18の活火山があります)
(安全度C;噴火の心配はありません)




火山噴火予知連絡会(平成15年1月21日)による活火山の選定資料(抜粋)によれば、

= 肘折 =
 38°35′50″N,140°09′54″E (三角山,545m) 
<概要>
 肘折(銅山川軽石流;杉村,1953)は、山形県最上郡大蔵村、山形県尾花沢市の西約20km、月山の北東約15km、鳴子の西南西約50kmに位置する。
 肘折を構成する地形は、北緯38度36.5分、東経140度10.3分を中心とする、内径約2km外径約3km比高マイナス約0.2kmのカルデラであり、火砕流台地がその南方数kmと北方約8kmにかけて分布している。
 宮城(2002)、宇井・他(1973)、福岡・木越(1971)による肘折の活動年代値から、おおよそ1万年程度前に活動があったと考えられる。
 現在、噴気活動はないが、地熱活動が継続している。
 カルデラの東端と中央部に温泉があり、中央部の湖成層が著しい温泉変質を受けている。  
 デイサイトの後カルデラ溶岩円頂丘(御倉山(*小松倉か?)と湖上の御門石)があり、御倉山は約10,000年前の軽石噴火に引き続いて形成された。


<火山活動の記録>
おおよそ1万年程度前に活動があったと考えられる。

と、あります。


肘折の温泉は、火山を熱源とする、火山性の温泉に分類されます。

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