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◆肘折温泉の縁起

 大同年間(大同二年=807年)の頃、諸国を巡り修行をしていた、豊後の国の源翁が、川から紵麻(烏川、今の銅山川、カラソ川→カラス川に変化したとの説あり)が流れてくるのを見つけ、上流に上ってきたところ、老僧に出会いました。実はこの老僧、地蔵権現で、「修行中崖(地蔵倉)から落ちて肘を折ったが、この地のお湯(上の湯)に浸かったところ、たちまち傷が癒えた。すなわち、名湯である。家族を連れ、この地に移り住み、この霊験あらたかなる温泉を守るよう。」といわれ、この地を守ることとなった、と語り伝えられています。

 肘折の所以には他に、「肘折は、聖(弘法大師)が開き賜いし霊湯なり。聖居り(ヒジリオリ)より肘折となる」との説や、「豊後の国、日出(ひじ)の村の者が居った(開いた)ことから日出居り(ひじおり→肘折)となった。」との説等があります。

 いずれにしても、古くより、月山を中心とした出羽三山信仰と強く結びついた、登拝道の宿泊中継基地として発達してきたことは間違いがなく、「名湯」と言うよりは「霊湯」として、今なお湯治場の形態をそのまま残し、多くの方々にご利用いただいております。

翁絵 - 開祖 源翁と地蔵菩薩 -